福岡歯科大学

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学部・大学院

藤田 亜美 教授 インタビュー

「化学で痛みに立ち向かう
 ~ひたむきに研究する化学者~」
2021.05.06
機能生物化学講座 生化学分野
藤田 亜美 教授(現:細胞生理学分野教授)

■ 夢見る女子生徒時代
「実は仙人になりたいと思っていたんです」

――先生のご出身はどちらですか?

藤田:出身は福岡県北九州市です。北九州は、海にも山にも近く、農業地帯もあれば工業地帯もあり、大学も複数ありますし、門司港レトロなどの観光施設もあって、すごく住みやすい所です。色んなところから人が集まっており、地方都市にしては開放的と言いますか、フレンドリーな人が多い感じですね。
 

――出身高校はどちらですか?

藤田:北九州市の明治学園出身です。今は共学になっていますが、通っていた当時、高校は女子高でした。挨拶がすべて「ごきげんよう」で、授業の最初に掛かる号令も「ごきげんよう」だったんです。TPOを悩まなくていい言葉ですが、街中で知り合いに会ったときにも「ごきげんよう」と言ってしまい、恥ずかしい思いをしたことを覚えています。(笑)

――先生はどんな生徒さんでしたか?

藤田:中学・高校と帰宅部で、面白みのない生徒だったと自分では思います。強いて挙げるとすると、小さい頃、実は仙人になりたいと思っていたんです。中国の古典などが好きだったので。だから大学へ進学する時は、ぎりぎりまで文学部の東洋史学か理学部の化学科か、どちらを選ぶか悩んでいました。


▲インタビューを受ける藤田先生

 

■ 化学の研究者として…
「実験をしていたら機嫌がいいので、「藤田型全自動合成機」と言われていました」

――学部生、大学院生、研究者へという道はどのように進んでいったのですか?

藤田:大学4年生の時、血液凝固を抑制する抗凝固剤の開発に役立つようなペプチド(※)がないかをテーマに研究をしていたんです。その時「もうちょっと研究をやっていきたいな」、「もうちょっと研究を深めたら面白そうだな」と思って修士、博士の道へ進んだのですが、それがいつの間にかずるずると流されるがままと言いますか…。
(※)ペプチド・・・アミノ酸が鎖状に結合してできた化合物

――やはり化学の研究者に適性があったということですか?

藤田:どうでしょう?(笑)当時から実験が好きで、ペプチド合成などの実験をしていたら機嫌がいいので、よく冗談交じりに「藤田型全自動合成機」と言われていました。(笑)実験が好き=動物が好きかと思われるかもしれませんが、実は動物が苦手なんです。

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――先生の研究テーマである〈痛みの伝達情報〉について教えてください。

藤田:例えば手を切ったり、釘を踏んだりしたら痛いと感じると思います。その手を切った時に、切ったという刺激の情報が電気信号として伝わり、まず脊髄までいきます。そして、脊髄で別の神経に切り替えて脳へ伝わっていくのですが、その「痛い」という情報が脳へ伝わらなければ痛くなくなるわけです。この鎮痛薬や局所麻酔薬のような働きをする他のものがあるのではないかと探索などをしていました。
最近では、ハーブや香辛料などの植物由来の化学物質に注目して、末梢の神経や痛み伝達の中継ポイントである脊髄などで、これらがどのような影響を及ぼすかを調べています。これは痛みを抑制するような薬物を作りたい、鎮痛薬や局所麻酔薬などを作るための有益な情報を提供したい、という大きな目標に向かった研究です。

――今後の研究の方向について教えていただけますか?

藤田:例縁あって歯科大に勤めていますので、口内炎の治療などに使用されている漢方薬について研究を進めていきたいと思っています。まずは口腔内の痛みを抑える作用を持つ薬を見つけたいと考えています。さらに漢方薬といっても色んな種類の生薬が含まれているので、痛みを抑えるにはどの生薬が影響しているのかを調べ、次に生薬に含まれている様々な化学物質の中でどれが効いているのかを解明したいと思っています。

 

■化学の教師として…
「『化学が好きになってきた』という風に言ってもらえた時はとても嬉しいです」

――歯科医師になるために、何故化学が必要となるのでしょうか?

藤田:歯科医師となるためには、専門基礎科目である生化学、生理学、薬理学、歯科理工学などを学ぶ必要があります。これらを理解するためには、化学の知識が非常に重要です。

――化学の授業で心掛けていることについて教えてください。

藤田:2,3年と進級して学ぶ科目には、前提として化学の知識がないと理解が難しいことが多くあります。その時に困らないよう化学的な素養を身につけてもらえたらなと心がけて授業をしています。高校の時には化学が苦手だったという学生も多いので、高校の化学も振り返りつつ、専門的な知識につなげられるような仕組み作りも日々模索しながら行っています。

――化学を学ぶ上でもっとも大切なことは何だと思われますか?

藤田:「興味を持つこと」と「コツコツと勉強すること」ですかね。興味を持ってもらうため身の周りのどんなことが化学に関係しているのかについて紹介したりしていますが、さらに学生の皆さんの興味を引くにはどうすれば良いのかを探している途中です。そうした中で、学生から「大学に入って化学が好きになってきた」という風に言ってもらえた時はとても嬉しいです。

――歯科大生の印象について教えてください。

藤田: 福岡歯科大学の学生はフレンドリーで、素直な印象があります。また、教員と学生との距離が近いことにも赴任当初は驚きました。授業以外で学生と接して関係性ができてくるなかで、もっと興味を引けるような、記憶に残る授業をしたいと感じ、授業のやり方を工夫したりしています。

――今日は貴重なお話をお聞かせくださりありがとうございました。

藤田 教授からのビデオメッセージ

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