福岡歯科大学医科歯科総合病院

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耳寄りな話

口腔外科

ビスフォスフォネート薬による顎骨壊死~21世紀に出現した病気~
―骨粗鬆症の方は、歯科医師に薬剤手帳を提示しましょう!―

抜歯をした後、こんな症状がありませんか?

①歯茎の腫れと痛みが続く

②歯を抜いた穴が治らない

③歯茎から膿がでる

このような症状が1カ月以上続いていて、しかも骨粗鬆症でビスフォスフォネートというお薬を飲んでいたら、ビスフォスフォネート顎骨壊死の前兆かもしれません。このような患者さまでは、やがて顎の骨の一部が腐って(壊死して)、露出してくることがあります。これをビスフォスフォネート系薬剤関連顎骨壊死(BRONJ)と云います。2003年に米国で初めて報告された新しい病気です。ビスフォスフォネートは、元来癌の骨転移に使われていたお薬ですが、最近は骨粗鬆症でよく使われています。骨粗鬆症による骨折を予防できる大変良いお薬なのですが、顎の骨にはこのような副作用が出ることがあるのです。このお薬を服用している方が抜歯されると必ず発症する訳ではなく非常に稀な病気です。しかし一旦、この病気になると治るまでかなりの日数を要するため注意が必要です。
骨粗鬆症の方や関節リュウマチの方はビスフォスフォネートを服用していることがあるため、歯科治療の前に飲んでいる薬を教えてください。


顎骨の露出