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 我が国の私学を取り巻く環境は、少子高齢化、大学全入時代、機関補助の減少などにより、今後益々
厳しくなると考えられる。特に歯科医師の需給問題や福祉・介護の人材確保問題が報道されるなど、
歯学部および短大保健福祉学科の志願者が急激に減少し、非常に厳しい経営が求められる状況となっている。
 本学園としては、引き続き「学生が意欲を持って学び、卒業生が誇れる母校、地域の歯科医療・保健・福祉への貢献、医歯学の進展への寄与」をモットーに、教育研究活動並びに社会貢献活動の推進に向けて、長期的な展望の下に安定的な経営基盤の確立を図らなければならない。
 平成22 年度は、「改訂中期構想(平成20 年度~22 年度)」の締めくくりのときであり、「口腔医学の学問体系の確立」を目指す「戦略的大学連携支援事業」の代表校として、教育面においては、口腔医学や口腔保健学分野のリーダーの育成・輩出を目標とした体制の整備・充実および医科歯科総合病院の拡充に取り組み、研究面においては、世界水準の研究拠点形成を目指した体制を整備・充実していかなければならない。
 以上のような考え方に基づき、平成22 年度の事業計画を次のとおり定める。 
 
1. 口腔医学の学問体系の確立に向け、関連大学との連携強化を図るとともに、学界、医療界、行政および社会の理解・協力を得るよう努力する。
2. 教育研究組織の充実を図るため、講座制を再検討し、教員の選考・適正配置について検討を行うとともに、教員の業績評価を見直す。
3. 学部教育の改善等
  1) 受験者確保のための方策を策定するとともに、入学試験の選抜方法を検討し、意欲があり目的意識が明確な学生を確保する。3年次編入による学士等編入学について検討する。
  2) 歯科医師国家試験対策を強化し、合格率の上位定着を目指す。共用試験対策を充実させる。
  3) 口腔医学に基づいた医療人育成のため、医科系科目を充実させたカリキュラムを整備充実させる。
  4) 診療参加型臨床実習を充実させ、教育の質を確保する。
  5) FDを充実させ、教員の教育に対する意識変革を行うとともに、授業内容、授業方法を見直す。教育カリキュラムおよび施設・設備の改善を行う。
  6) 多元的教育を実施するためにe-learning システムを導入する。
  7) 態度教育を重視し、「特色ある教育」のためのカリキュラムを実施し、学生の質の向上を図る。
  8) 成績不振学生に対する補講および助言教員の指導等を強化する。
  9) 意欲のない学生には、将来の進路を含め適切な指導を行う。
  10) 文部科学省等の教育・研究に係る競争的資金の獲得に努める。
4. 大学院・研究の活性化等
  1) 大学院の入学定員を確保する。論文博士(乙)の受入れを積極的に進める。
  2) 私立大学戦略的研究基盤形成支援事業を推進し、先端科学研究センターの充実を図る。
  3) グローバルCOE等の文部科学省等の教育・研究に係る競争的資金の獲得に努める。また、協同研究、産学連携を推進する。
  4) 教育・研究費の重点配分を行い、人材育成に努める。
5. 国際交流
  上海交通大学、慶熙大學校等との交流をさらに拡充・推進するとともに、新たに南カリフォルニア大学との教員・学生の交流も推進し、真の国際交流を目指す。
6. 病院拡充等 
  1) 日本医療機能評価機構の認定病院として機能の充実を図る。
  2) 患者増を図り、外来600名、入院45名以上を達成する。
  3) 学生の診療参加型臨床実習および歯科医師臨床研修を充実させる。
  4) 診療の責任体制を確立する。情報公開を行う。
  5) 近接診療科の開設などにより総合医療センターとしての拡充を目指す。
  6) 新病院の建設を検討する。
  7) クリティカルパスを充実する。
7. 福岡医療短期大学の充実
  1) 保健福祉学科の存続等について、医療短期大学の将来的な在り方を含め、抜本的な検討を進める。
  2) 効果的な学生募集活動を充実させ、入学定員確保に努める。
  3) 実習施設と連携した実践的な臨床臨地実習・施設実習教育を実施する。
  4) 口腔介護(要介護者への口腔ケア)教育を充実させるため、歯科衛生学科は専門的口腔ケア教育を向上させ、保健福祉学科は口腔ケア技術を含めた介護技術教育を推進する。
  5) 歯科衛生学科は歯科衛生士国家試験の100%合格を目指し、保健福祉学科は介護福祉士国家試験化に備えた卒業時共通試験の成績向上を目指す。
  6) 資格取得に向けた教育支援を充実させ、成績不振学生を早期に把握し、個別に対応したきめ細かな指導を行う。
  7) 「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」(平成20 年度選定)を実施し、口腔機能向上のための口腔介護教育を通して、地域社会に貢献する。
  8) 文部科学省等の教育・研究に係る競争的資金の獲得に努める。
  9) 認定専攻科(口腔保健学分野口腔保健衛生学専攻)における学位取得を支援する。
8. 介護老人保健施設、介護老人福祉施設の充実
  1) 地域の保健・福祉への貢献とともに、教育・研究の場として活用する。
  2) 教育・研究・奨学助成のための資金を確保する。
  3) デイケア、デイサービスの定員を40名に増員する。
9. 地域貢献の推進
  1) 公開講座およびボランティア活動を推進する。
  2) 西部地区五大学連携懇話会および地下鉄七隈線沿線三大学連絡協議会等による地域貢献を推進する。
10. 情報化・広報の整備・充実 
  1) 学園のホームページを充実するとともに、合理的な維持・管理ルールを作成する。
  2) 学園全体の情報化を推進するための、情報化組織および運営体制の整備・充実を図る。
  3) 病院システムの充実および安定的な運用を実現するため、当該システムの維持・管理体制の整備・充実を図る。
  4) 事務情報共有システムを実現し、事務の高度化と事務サービスの向上を促進する。
  5) 教職員の情報リテラシー育成計画を策定し実施する。
  6) アドミッションズ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、デイプロマ・ポリシーの広報活動を積極的に進める。
11. キャンパス整備
  1) 学園用地を活用、整備する。
  2) 干隈用地の活用を検討する。
  3) 教育設備改善の一環として、解剖実習室のホルムアルデヒト対策のための実習用教育設備を更新する。
12. 考課制度の確立と処遇の反映等
  1) 教職員が明るく楽しい職場環境をつくり、人材育成を含めてその職務を全うし学園の活性化にも寄与することを目指して、人事考課の処遇への反映を具体的に検討する。
  2) 診療等に関与する教員への褒賞について検討を行う。
13. 人材育成
  1) 教員の能力向上のため、各講座・分野の抄読会、カンファレンス等を充実し、目的意識をもって研究・研修に努める。
  2) 職員の能力開発・啓発のため、学内研修の充実と学外研修会等への積極的派遣に努める。特に専門職スタッフ、管理職としての必要な知識等の習得の徹底を図る。また、戦略的大学連携支援事業として、各大学間の事務職員短期研修を実施する。
14. 学園財政の健全化
  1) 支出を節約し、安全かつ有利な資産運用により収入増を図る。
  2) 管理部門の業務、人員配置の効率化を図る。
  3) 外部資金(科研費・私学助成金、奨学寄附金等)の導入を積極的に行う。
  4) 国家公務員および他大学等を参考に退職金の見直しを引き続き検討する。
15. 地球温暖化対策
  地球温暖化対策およびエネルギー使用合理化のため、熱・電気等のエネルギー使用量を前年比1%削減に努める。