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谷口 奈央 准教授(現:教授) インタビュー

「口臭治療と研究のマッチング ~全身の健康は予防歯科から~」
2018.05.01
口腔保健学講座 口腔健康科学分野
谷口 奈央 准教授(現:教授)

――先生のご出身はどちらですか?

谷口:生まれは小倉で、父親が国家公務員(農林水産省)だったので、沖縄や北海道にも住んでいましたが、小学校の高学年から高校まで広島市中心部と宮島の間あたりの広島市西区で暮らしていました。大学は親元を離れ、自立するために九州大学に進学しました。
広島と言えば「カープ女子」が流行りですが、私は流行る前からの生粋の「カープ女子」です!(笑)

――歯科医師になろうと思われたきっかけは何ですか?

谷口:父親が大学の獣医学部の教授に移ってから、海外の学会に一緒に参加したり、休日でも職場(農場)に出向き動物の世話をしたりする姿やその熱意に触れて育ったので、大学での仕事のイメージがしやすかったんです。その中で自分は動物より人の健康に携わりたいと思い、歯科医師になることを選びました。

――学生時代に打ち込まれたことや現在の趣味について教えてください。

谷口:中・高時代は、背が高くて、手が大きいほうだったので、弦楽部でコントラバスを弾いていました。もちろん楽器は借り物でしたが・・・。今思えば、チェロくらいにしておけばよかったなあと後悔しています。
大学時代、特に大学院生の時は、ジョギングを楽しんでいました。フルマラソンも走ったことがあります(いぶすき菜の花マラソン!!)。今でも休日はジムで走ってリフレッシュしています。
他には、旅行に行ったり、映画鑑賞に行ったりするのも好きですけど、昨年子どもが生まれてからは趣味そっちのけで子育てに奮闘中です!


マカオ旅行満喫中の1コマ

――8月に本学敷地内に開園したぺんぎん保育園をご利用とのことですが、使ってみていかですか?

谷口:何と言っても出産後半年で職場復帰できたのは、ぺんぎん保育園のおかげです。朝7時30分から延長保育も含めて19時30分まで預かってくれます。さらに保育園には病児保育があり、看護師さんが一人常駐しているので、子どもが風邪の時も、本学の小児科で診察後、定員に空きがあれば、すぐに預かってもらえます。職場と保育園が近いのも安心だし、子育てをしながら働ける職場環境だと思います。子どもたちが、大学の敷地内をお散歩している風景もよく見かけますし、年末には教職員の餅つき大会にも参加したりと、いろいろと楽しんでいるようです。

――先生の担当されている口臭クリニックについてお話しいただけますか?

谷口:口臭で悩んでいる人はとても多く、むし歯と歯周病の次に訴えが多いとも言われています。
口臭は痛みや腫れがあるわけではないので、検査を行う前に患者さんの悩みをよく聞くことがとても大切です。
口臭の原因は、いろいろあるのですが、8割近くは口内に原因があり、2割くらいが鼻や喉の炎症という感じです。
巷で良く耳にする「胃が悪いから口臭がする」ということはないですね。
ただ、口臭クリニックは大きな大学病院にしかなく、本院には四国からも患者さんが来院するほどです。

――口臭クリニックは希少価値があるということですが、自分でもできる予防法があれば教えてください。

谷口:街の歯科医院でもできるような簡単な評価、診断、対処方法ができればと思っています。自分でできる口臭予防は、口の中の健康を保つこと、口腔の乾燥を防ぐこと、舌の汚れを取り除くことですね。

――診療するうえで、先生が気を付けている点を教えてください。

谷口:口臭は治れば終わりというわけではなく、再発しないように予防してもらうことが大切なので、患者さん自身が口臭の起こるメカニズムを理解し、再発防止ができるような説明を心がけています。
現在、日本口腔衛生学会に所属していますが、学会が精力的に発信していることもあり、口腔ケア(予防歯科)の大切さが社会に浸透してきたように感じています。

――最初から口臭をテーマに研究されていたのですか?

谷口:本学に赴任して口臭クリニックの担当になってからです。それまでは、大学院や前任校で細菌の研究に没頭していたのですが、口内の細菌と口臭との関係で調べたいことがたくさんあって、臨床と研究がマッチングしたのがきっかけですね。

――研究内容について少しお話していただけますか?

谷口:研究内容は、口内に600~700種類ほど存在する細菌の構成バランスを調べて、口臭の原因となる菌を減らすために有効な成分や手段を明らかにすることです。研究結果を基にして将来的に、街の歯科医院でも口臭検査や治療が簡単にできるようになればいいなと思っています。

――研究論文には英文も多いようですが、留学など外国語にふれる機会が多かったのですか?

谷口:留学の経験はありませんが、英語は世界で共通の評価ができる言語なので、大学院の時に、英語で論文を書いたり、読んだりという習慣で自然と身についたように思います。英会話については、学生時代から海外旅行に行くことが好きだったので、その中で多少話せるようになりました。

――教育の場で心がけていることを教えてください。

谷口:本学の学生は、素直な学生が多いので、自分も授業中に歯科医師になってからのエピソードや楽しみなどを具体的に話したりして、学生の意識高揚に努めています。

――最後にこれから本学を志望する受験生に向けて一言お願いします!

谷口:口臭に関連する分野は、まだまだこれから多くのことを明らかにし、社会に還元していくことのできる興味深い領域だと思います。是非一緒にこの領域を探求し、口腔から全身の健康を守ることの出来る歯科医師を目指して頑張りましょう!お待ちしています!

――先生が臨床と研究をうまく絡めて充実した仕事をされていることがよくわかりました。今後の研究成果に期待したいと思います!本日は、ありがとうございました。

谷口准教授からのビデオメッセージ

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