福岡歯科大学医科歯科総合病院

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診療科のご案内

保存(むし歯)科

診療科について

「いつまでも自分の歯で噛めるように治療を行い、大切な歯を口の中に維持、保存し機能させる」という考えのもと、歯の神経の病気を治療する歯内治療(根管治療)およびむし歯など歯の崩壊による欠損部を補修する保存修復治療を中心とする専門診療科です。
当院では、マイクロスコープ(歯科治療用の顕微鏡)および歯科用コーンビームCT(歯専用の三次元的なレントゲン)装置を備え、精密な根管検査に基づく歯内治療を実施しており、近隣歯科医院からの紹介も多くいただいています。また、歯性上顎洞炎(歯が原因となり、細菌が上顎洞に入り炎症を起こす病気)に対しては、耳鼻咽喉科・口腔外科・放射線科との連携によるチーム医療を実践しています。
一方、超高齢社会の進展に伴い高齢者で増加している「大人のむし歯」である根面う蝕(歯の根元にできるむし歯)の進行抑制や予防に積極的に取り組んでいます。

日本歯科保存学会指定研修施設 / 日本歯内療法学会認定研修施設

受診について

予約 要予約
初診受付時間 月〜金曜日 9:00〜11:00  /  13:00〜16:00
初診の方への
注意事項
歯内治療(根管治療)を行うにあたり、根管は一歯ごとに形、長さ、数が異なります。特に複雑な根管治療では、歯科用コーンビームCT (CBCT)検査により根管の形態と根尖部の病変を正確に計測することで、緻密な治療計画を立てて治療を行っています。よって、初診時は緊急の処置以外、検査が中心となることがあります。また、原則的にラバーダム防湿を行っています。歯内治療は歯を保存するために大変有用な治療法ですが、治療時間、期間がかかるということがあります。また、歯科用CBCT撮影は自費診療になることもあります。
お問合せ

092-801-0411(ナビダイヤル)

※電話でのお問合せ受付時間 9:30~16:30
※予約変更受付時間 13:30~16:30
(急性症状がある場合は、この限りではありません。)

教授 松﨑 英津子
(科長)

資格・所属学会
  • 日本歯科保存学会 歯科保存治療専門医
  • 日本歯内療法学会 研修責任者
  • 日本歯周病学会 歯周病専門医
  • 日本外傷歯学会

講師 松本 典祥

資格・所属学会
  • 日本歯科保存学会 歯科保存治療認定医
  • 日本外傷歯学会 認定医
  • 日本歯内療法学会

講師 水上 正彦

資格・所属学会
  • 日本歯科保存学会 歯科保存治療認定医
  • 日本歯内療法学会
  • 日本歯周病学会

助教 松本 和磨


助教 廣瀨 陽菜


1受付

1階受付後、3階歯科診療室受付

2問診・検査等

3階歯科総合初診で診察・問診。
必要に応じてエックス線検査、CBCT検査等

3診断・治療方針の概略説明

各治療法のメリット・デメリット、費用、治療期間等についてご案内します。

4歯内・保存修復治療をスタート

治療計画に同意いただけましたら、「今日の治療内容」についてご説明した後、患者さんの担当医を決定し、歯内治療をスタートします。
症状が強い場合は、応急処置を行います。

5担当医との次回予約

診察終了後、担当医との次回予約を行います。
他科での診察も必要な際は、紹介させていただきます。

Q 歯内治療(根管治療)に必要な通院回数はどのくらいですか。

A 歯内治療(根管治療)に必要な通院回数(目安)は、歯一本あたり前歯で2〜3回、奥歯では3〜4回です。根管治療後の歯にクラウン(冠)を被せる期間を加えると、診断から歯の完成まで6〜7回の通院が必要です。週1回の通院でおよそ1ヶ月半かかる計算になります。2本以上の歯内治療をする場合は本数×1ヶ月半が必要になります。全ての病変を治療するのに1年以上かかることもあります。また歯の状態は、むし歯、再根管治療の歯の場合等、それぞれの歯によって異なりますので、通院回数も異なることをご理解ください。


Q ラバーダム防湿は行っていますか。

A 原則として全ての根管治療において、ラバーダム防湿を用いた根管治療を実施しています。


Q マイクロスコープは使用していますか。

A 使用しています。台数に限りがあるため、予約を調整して治療を行っています。


Q 歯髄炎について説明してください。

A 歯の中には歯髄とよばれる神経や血管を含む組織があり、歯の根の先にある小さな孔(根尖孔)を通じてあごの骨の中にある神経や血管とつながっています。むし歯(う蝕)が進むと、歯髄にも細菌感染が起こり、冷たいものや温かいものがしみる歯髄炎が起こってきます。歯髄炎が進行し自発痛が強くなると、抜髄治療が必要になります。


Q 抜髄治療について説明してください。

A 抜髄治療は、むし歯の細菌感染により歯髄に生じた感染巣をきれいに除去し、根管内を清掃・消毒したうえで、充填材を封入する方法で、俗に「神経を抜く」治療とも言われています。

プレジデント2020.7.3号より引用・一部改変


Q 根尖性歯周炎について説明してください。

A 歯髄炎を放置すると歯髄が死ぬため、一時期、痛みを感じなくなります。しかし、歯髄が死んで免疫機能が働かなくなるため、根管の中で細菌が増殖し、細菌あるいは細菌が産生する毒素などが根尖孔から歯根の外に出てくるため、歯を支えている骨に炎症が広がり、骨吸収が拡大してきます。根尖性歯周炎の初期症状としては、歯が浮くような痛みや噛んだときに痛みが生じます。進行すると根尖周囲の歯肉が腫れて、さらに痛みが強くなり、顔も腫れて左右非対称になる場合もあります。発熱や悪寒を感じることもあり、炎症があごの骨の外側にも及んで歯肉の腫れや顔の腫れがさらに増大します。


Q 根尖性歯周炎の治療について説明してください。

A 根尖性歯周炎では、原因となっているむし歯(う蝕)を除去したのち、歯の内部の感染した根管から、細菌の侵入した感染象牙質をファイルと呼ばれる細い針のような器具を用いて取り除く感染根管治療を行います。その後、根管内をよく洗浄します。歯肉の腫れが強く、触診で波動を触れる場合は、歯肉切開を行い、排膿を促すことがあります。また、腫れや痛みが強い場合には抗菌薬や鎮痛薬を処方します。感染根管治療を行っても経過がよくない場合には、歯の根の先を外科的に切除する歯根尖切除法や抜歯を選択することもあります。