耳寄りな話<口腔外科>

☆あごの形態が大いに関与する睡眠時無呼吸症候群
  睡眠時無呼吸症候群は、よく「いびきをかく肥満の人に多い」といわれています。これは、体重増加によってあごの周りや首周りが太くなる(脂肪がつく)ことで、仰向けで寝ているときに喉のあたり(気道)が前後左右から圧迫され気道が狭くなるため、空気の流れが悪くなっていびきをかいたり、ひどい場合は空気の流れが止まったり(無呼吸)するので、そのようなイメージがあるようです。しかし、気道が狭くなる原因はこれだけではありません。その一つに「下あごが小さい」というのがあります。下の2枚のレントゲン写真を見てください。これは座った状態で撮影した規格性のある写真です。
 矢印のところは舌骨の高さでの気道の幅を示していて、右側は通常のあごの位置の人、左側は下あごが極端に小さい人の写真です。非常に気道が狭くなっています。寝ているときにいびきをかいていると指摘されたことがあるそうです。

 このように、下あごが極端に小さい人は、閉塞性の睡眠時無呼吸症候群のリスクが高いと思われます。このような方の場合、咬み合わせも悪い(いわゆる出っ歯)ことが多く、この原因としてあごの骨格的な形態に問題があります。治療としては、通常の歯列矯正だけでは難しく、外科手術を伴った治療、すなわち下あごの骨を前に出すような手術が必要です。仮骨延長法等の下あごの骨を前方へ移動させる手術を行います。下に左側の人の手術後の写真を示します。気道が広くなっていることがよくわかります。いびきをかかなくなったと聞いています。

このように、あごの形を治すことで睡眠時無呼吸症候群の一つの原因を取り除くことができます。
 
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