「口腔医学の確立・推進を」
                       大学長 本田 武司
    

 
  新年明けましておめでとうございます。

 皆様方には、年頭に当っては、それぞれに学園の中期構想や将来構想を踏まえた目標をお立てになっておられることと思います。しかし、過去3年にわたる国家試験の成績不振、或いは10年にわたって継続してきたフロンティア研究が3月で終了する事、また、3週間後には病院の機能評価を受審すること等を考えますと、学園におけるこの1年は大変厳しくまた忙しい年になるのではないでしょうか。

 このような状況の中で、私たちは歯科大学という極めて明確な目標を持った組織の中で仕事をする以上、建学の精神に則り、立派な口腔医の育成と、教育・研究・診療における優秀な後継者の養成が共通の目標であり、個々人の目標はこの上に成り立っているという共通認識を持つことが大事なのではないかと思います。

 一昨年、年頭の挨拶で申し上げましたが、教育効果を上げるためには学生との距離を縮め、キャッチボール的指導を行うこと、患者さんを増員するためには良質の医療を提供するのは当然として、もっと患者さんと同じ目線で、しかも患者さんの気持ちをよく理解した医療を行うこと等、それぞれが自分なりの方法で何とか現状を打開したいという強い意識を持たなければなりません。

 最近、医学部学生の定員増、薬学部の新・増設が検討・実施される中、歯学部では定員削減や国家試験合格基準の引き上げによる新規参入歯科医師の抑制など、歯科界の魅力を損ない、学生にも将来の不安を煽る様な流れが加速しています。

 まさにこのような時期だからこそ、本学園が推進する口腔医学の理念を広く周知させる必要があるのではないでしょうか。そのためには、なるべく早く学問的な体系を作り、医系を中心とした各方面に働きかけをして受け入れてもらえるような努力をしなければなりません。そのためには、先ず皆さん方のこれからの目標の中に、是非、口腔医学の確立・推進に向けた努力を加えて頂き、目標達成のためにご協力をお願いしたいと思います。大変地道で先の長い活動になりますが、歯学を含めた医学・医療界の将来を考えたときに是非とも必要なことではないかと思います。年頭に当たり、学園に関係する皆様方全員が共通の目標に口腔医学の確立・推進を加え、同じ意識を持って一緒にスタートしたいと念じています。