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歯学と医学の歴史

外科手術に必須の全身麻酔は歯科
医師であるウィリアム・モートンに
よって初めてなされた。 写真は
Boston Public Garden内にある
全身麻酔の顕彰碑

 ギリシャ、ローマ時代には、医療は祈祷師や医師によって行われていた。
 人類を悩ました歯痛やゆるんだ歯牙の抜歯などが歯抜き士によって、入れ歯は入れ歯師、香具師、職人によって行われ、それらを含めた歯およびその周囲組織の疾病の治療をdentistryとしてdentistが行うようになった。
 十九世紀、アメリカのMaryland大学医学部が創設されたとき、歯学はartでありscienceでないという論理で医学部に含まれなかったため、Hayden、Harrisらは1840年にBaltimore College of Dental Surgeryを創設した。これを機に医学と歯学の教育体制が別れ、その流れがヨーロッパやわが国にも及んだ。
 わが国では、かつて歯科医療は口中科として一般医科にふくまれていたが、明治政府は1874年に西洋医学の採用を布告し、それまでの漢方医学は廃止となった。それでも歯科にあたる口中科は医業のなかにあり、部分免状として考えられていた。
 1875年2月に医業開業試験法が発令され、エリオットにアメリカ歯科医学を学んだ小幡英之助は歯科の専門試験の創設を願い、東京医学校の長与専斎はこれを認めて、同年10月に附免状を出した(歯科医籍第1号)。1879年には新たに「歯科」の試験科目が加えられ、1883年までに30名の「歯科」の医師が登録されたが、1885年に「歯科医籍」が創設され、歯科の医師はそれまでの「医籍」から除かれることとなった。法的には、1906年医師法、歯科医師法の制定によって、医科と歯科とは完全に分離された。

 戦前は専門学校(4ないし5年の修業)で行われていた歯学教育は、第二次世界大戦敗戦後の学制改革により、新制の歯科大学として、医科大学と同じように6年制となった。
 なお、戦前の国立大学医学部には、歯学部新設まで歯科口腔外科学講座があり、歯学部を創設しなかった医学部では、顎口腔科学分野、口腔病態学分野などとして歯学・口腔医学の教育が行われている。東京大学医学部には口腔外科学があり、病院の顎口腔外科・歯科矯正歯科を担当している。

 こうした立場に基づいた今日までの教育体制、学術体制、医療体制は、歯科医学、歯科医療に独自の発展をもたらし、歯科としての「業」を強固なものにしたが、これら従来の歯科医学・歯科医療は、歯牙およびその周囲組織を主な対象とし、全身と切り離された形で実践されてきたきらいがある。“器材による疾病の治療”という側面が強調されて、“患者を対象とした疾病の治療”である一般医療とはやや異質なものとみられてきた。
 しかし近年、社会の高齢化と医療に関する研究の躍進により口腔と全身の関係性が見直され、現在の歯科医療は単に歯牙とその周辺組織の病変にとどまらず、幅広い口腔領域の疾患を対象とする本来の歯科医療へと変化しつつある。

 

 

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