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トップページ > 大学院指導教員インタビュー >  第6回 山﨑教授 

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 大学院教育(研究指導)のあり方を考える企画として、GP(グッド・プラクティス)を紹介するインタビューをスタートしました。大学院生を指導される先生方の参考になれば幸いです。
 第6回は、分子機能制御学の山﨑純教授、大学院3年生の陶山大輝先生、4年生の永沼香織先生と廣松亮先生にお話を伺いました。
 ※掲載の情報は、平成26年7月31日現在の情報です。

―現在、分子機能制御学の大学院生は何名在籍していますか?

山﨑:口腔外科学分野から1名、歯周病学分野から2名、矯正歯科学分野から3名、インプラント学分野から1名、そして分子機能制御学分野1名の合計8名です。


(研究中の山﨑教授)

 

―大学院生を確保するために何か工夫されていることがあれば教えてください。

山﨑:現在では、既に臨床各科から受け入れている大学院生の研究を引き継ぐために、入れ替わりで新たに大学院生を受け入れることが可能になりましたが、当初は私の研究テーマである上皮細胞の研究を中心に、臨床各科の研究テーマとの共通性を示したり、方向性を一致させたりして、臨床各科との調整や研究上の良好な協力関係の構築に努めました。学部学生や研修歯科医に直接声を掛けることもありますが、主となる臨床各科の方針や本人の希望もあります。

 

―研究は継続されるものなのですね。

山﨑:特に、学位取得時には良い成果を出して本人に満足感を持ってもらうことや、主科である臨床各科にも喜んで頂けることを前提に研究指導に取り組んでおり、それは幸運にも途切れることなく継続しています。常日頃より、大学院生には研究を通して身に付けた知識や技術を後輩に伝承することの必要性を言い聞かせていることも理由の一つかもしれません。先輩となる元大学院生も後輩の指導は大変そうですが、研究が継続されることにより得られる成果は本人にとってもメリットなのです。

 

―先生ご自身は大学院で分子機能制御学(薬理学)を専攻する魅力はどこにあると思われますか?

山﨑:分子機能制御学分野、特に薬理学に限ってお話しすると、薬物という有機化合物を出発点にして生体の未知なる現象を見つけ、生体と薬物との関係を究明していくことに魅力があり、生体からの側面と薬物などの分子からの側面、両方から眺めることが薬理学の重要性であったり醍醐味であったりします。つまり、医薬品を使うことによって健康になったり、時には副作用を起こしたりしますが、生体のどの部分が変化したかを見ることによって薬物の性質がわかり、逆に、薬物の構造が生体にどのような影響を及ぼすかといったことで生体の機能を理解することが出来るのです。

(インタビューを受ける山﨑教授)

 

―研究テーマは具体的にどのように決められているのですか?決める時期はいつ頃ですか?

山﨑:主となる臨床各科のバックグラウンドがありますので、それに沿ったテーマを提示する場合や、イオンチャネルといった薬理学教室オリジナルの研究テーマを提示する場合があります。時期については、大学院は研究とともに臨床のスタートでもあることから、大学院生本人の研究内容に関する希望・考えを聞いて、臨床との時間の割り振り等を確認するために暫く様子をみる場合もあります。各大学院生により異なりますが、概ね4月から6月までに決定しています。

 

―皆さんが大学院に進まれた理由は何ですか?また、山﨑教授に指導して頂くことになった経緯を教えてください。

陶山:歯科医師となり、矯正歯科での臨床研修の際、指導医のもと、問診や診査、検査、分析、問題点の抽出、そして文献検索等を通してそれぞれの患者さんに適した治療計画立案を経験したのですが、この時に「リサーチマインド」の必要性を痛感しました。大学院では、研究を通してリサーチマインドを一から学ぶことが出来ることを先輩方から聞き、進学することを決めました。もともと歯の再生に興味を持っていたこともあり、山﨑教授が硬組織の再生に関する研究を始められたとお聞きして指導を受けるようになりました。

(大学院3年:陶山大輝先生)

 

永沼:口腔外科に関する外科処置や手術など、より多くの臨床経験を積みたかったのと、大学院に進学された先輩の話に魅了されて口腔外科を専攻しました。私は粘膜上皮の発がん機構について以前から関心があり、指導教授の池邉教授にご相談したところ、先輩がお世話になっていたこともあり、山﨑教授を推薦して頂きました。納得できる研究成果がではじめており、山﨑教授には大変感謝しています。

(大学院4年:永沼香織先生)

 

廣松:学部学生の頃には技術的な点ばかり重んじていましたので、進学して研究することなんて選択肢にはなかったんです。しかし、研修医として診療に携わるようになってからは、からだのメカニズムを理解することの重要性を感じたことや大学卒業後は臨床のみに携わって来られた先輩方から「学位を取得しておけば良かった。」という話を聞かされて、長い生涯のうち研究に没頭する時期があっても良いのではと思って決心しました。人体について遺伝子レベルで理解することができる研究室を探していたところ、山﨑教授が声を掛けてくださり、指導して頂くことになりました。

(大学院4年:廣松 亮先生)

 

―テーマを決めたのはいつ頃でしたか?また研究内容を教えてください。

陶山:進学前から研究内容については希望がありましたので、テーマは早い時期に決まりました。内容は先程来の話のとおり骨の再生に関わることをやっています。皮膚に存在する線維芽細胞に因子を与えて骨を作る細胞に分化させようとするもので、再生医療の一端となるような研究です。

 

永沼:私は最初の1年間は診療のみを行い、2年生から山﨑教授にお世話になることになりました。当初は先輩の実験を引き継いで実験手技を学び、3年生になった頃から今後の発展性を期待して、新たに自分の研究を始めました。構造タンパク質の一種であるケラチン13に着目し、悪性腫瘍である舌癌の細胞と正常な細胞を比較して、悪性度が高いほどその発現が抑制されるメカニズムを、エピジェネティクス(遺伝子の突然変異を伴わない後天的な遺伝子制御の変化を主な対象とする学問領域)の観点から調べています。将来的には、がんの治療、病態の把握などの臨床に繋げたいと思っています。

 

廣松:研究テーマが決まったのは5月頃です。歯周病学が専門ということもあって粘膜や皮膚などの上皮組織に興味を持っていましたので、山﨑教授が研究されているCLCA遺伝子(カルシウム活性化クロライドチャネル修飾因子であり、上皮細胞の分化に関与すると考えられる)の上皮における発現や活性化の条件などについて研究しています。先々、皮膚の再生や増殖のコントロールに繋がれば良いなと思っています。

 

―山﨑教授は薬理学がご専門ですが、皆さんの研究内容をお聞きして、不思議なことに“薬物”とはあまり関係がないように思われますが?

廣松:私たちは、分子レベル、遺伝子レベルで指導して頂いており、生理学とか生化学とか、広範多岐にわたる知識をお持ちですから・・・。

 

―臨床(診療)と研究のバランスはどのようにされていますか?

陶山:診療後に研究をしています。バランス良く、何事にも目標を持って全力で取り組んでいます。

 

永沼:1年生は臨床を主に、2年生からは研究を主にやっています。もちろん、自分の患者さんに対しては責任を持って診療に当たっています。

 

廣松:午前中は診療、午後からは研究など、診療や研究の状況に応じて対応しています。両立は出来ていると自負してます。

 

皆さん、診療や研究の状況を踏まえて自主的に対応し、また自分らしいライフスタイルを通して、大学院生活を充実させているのですね。

 

―では、将来の目標、夢、やりたいことなどを教えてください。

陶山:今の研究の最終目標は、骨欠損部位を修復するための骨補填材を開発することです。在学中は難しいかもしれませんが、修了後も取り組んでいけたらと思っています。 

 

永沼:現在は研究を主にやっていますので、臨床に携わりたいという気持ちが強く、修了後は臨床の比率が増えると思いますが、今後も臨床への貢献を目指して様々な研究課題に取り組んでいければ良いなと考えています。

 

廣松:やはり大学院修了後は臨床が主になるとは思いますが、これまで培った知識や技術力を活かし、さらに発展させるためにも山﨑教授と共同研究が出来れば良いと思っています。

 

―研究の進行状況など把握はどのようにされているのですか?

山﨑:毎週水曜日に研究室全体のミーティング・抄読会を行っています。学会近くになると予演会をすることもありますし、全体の考えを共有する場としても活用しています。個別には、今年から新たに先輩にあたる大学院修了生を含め3者でミーティングを行い、進捗確認とともに今後の方向性等を決定することもあります。

 

―研究(実験)ノートへの記録に関する指導を教えてください。

山﨑:研究(実験)ノートへの記録については、データや画像等はパソコンに集積されているため、プリントアウトしたものをノートに貼り付けることのほか、フォルダやファイル名を記載して、パソコンデータとの対応付けを明確にするよう指導しています。 

 

―それでは、最近の研究テーマ等で何かトピックス的なことがあれば教えていただきたいのですが。

山﨑:学会賞を国内2件、国外では指導する大学院生がインプラントの国際学会でポスター賞を受賞することができ、大変うれしく思っています。

 

―大学院生のリーダー配置、研究室での約束ごと等がありましたらご紹介ください。

山﨑:大学院生の数が多くなると取り纏め役が必要になりますが、先程お話をした水曜日のミーティングは大学院3年生が当番で、発表者の順番や発表内容を決めています。また、実験室の器具や廃液等の管理についても輪番制にしています。

 

―学会発表などについては年に何回とか、ある程度のノルマを設けているのでしょうか?

山﨑:1年に1回は発表して貰いたいと思っていますが、発表するからにはプログレス(前回からの進展)が必要であると考えています。でも人によって研究の進捗状況が異なりますので、ノルマは設けていません。私自身に対するノルマとして、研究室全体における各学会でのおおよその発表数は考えています。なお、発表にはポスター展示と口演がありますが、発表形式はもちろん、データの提示方法も違ってきますので、両方をきっちり出来るように、ある程度の数を経験させ、それぞれに応じた知識やプレゼンテーション能力を修得してもらうように指導しています。 

 

―大学院修了後の進路(指導)について教えてください。

山﨑:大学院修了後、ほとんどの先生は臨床に戻りますが、これまでの繋がりを持って共同で研究を続けています。将来的に本学を牽引する本学出身のリーダーを作りたいと考えています。

 

―研究(指導)における今後の取り組み、将来の夢や目標を教えてください。

山﨑:個人的には、研究のアイデアとか方法論、手法というものに臆することなく、様々な色々なことに立ち向かっていきたいですね。歯学部・歯科大学から「真の意味」での薬理学研究室が減少傾向にある今、試薬を使って生体の反応を見るという観点ではなくて、「薬理学」研究者として薬物の構造と薬理活性の関係を丹念に観察し、作用機序を解析研究していきたいと考えています。大学院生に関しては、自立的な研究者を育成することを旗印に取り組んでいきたいと考えており、特に、研究に対する姿勢、態度、理念・・・いわゆる“フィロソフィー”を理解してもらうことに重点を置いています。学位記は学位論文に対して与えているものではなく、人物に対して授与しているものだと思います。大学院生の目標である博士号(Ph.D)はDoctor of Philosophyであるとおり、一人ひとりが自分の中に“フィロソフィー”を持つことが出来るようなきっかけをつくってあげたいと思っています。

(大学院生等に研究指導をする山﨑教授)

 

―大学院生を指導する時の先生のモットーを教えてください。

山﨑:「アンテナを立てる(情報をキャッチする)」「考えることが出来るようになる」「自分の言葉で言えるようになる」が大切だと思っています。この3つの要素を“フィロソフィー”の出発点として感じてもらい、自立した研究者の育成を目指して指導しています。

 

―最後に、大学院進学を考えている学生さんに伝えたいことやアピールをお願いします。

山﨑:薬理について一緒に研究しましょうということはもちろんですが、自分の夢や理想を持って、その実現のために立ち止まらず、立ち向かって進んでいって欲しいと思います。

 

  お忙しい中、インタビューに御協力いただきありがとうございました。
  第7回は、再生医学研究センターの福島忠男 教授にお話をお伺いします。

 

【取材日:平成26年6月26日(木)/取材者:今吉恵理子(感染生物学分野講師)、井上栄二(学務課長)、
石橋慶憲(企画課長)/撮影者:石橋幸恵(企画課職員)】

 

 

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