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トップページ > 大学院指導教員インタビュー >  第2回 石川教授(現:学長) 
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 大学院教育(研究指導)のあり方を考える企画として、GP(グッド・プラクティス)を紹介するインタビューをスタートしました。大学院生を指導される先生方の参考になれば幸いです。
 第2回は、矯正歯科学の石川博之教授(現:学長)、大学院4年生の秦省三郎先生、3年生の高田俊輔先生と3年生の坂井真実子先生にお話を伺いました。
 ※掲載の情報は、平成26年2月28日現在(教授在任時)の情報です。

石川教授(現:学長)インタビュー

 

―現在、矯正歯科学の大学院生は何名在籍していますか?

石川:1年生が3名、2年生が3名、3年生が5名、4年生が4名です。来年度は2名の大学院生が入学予定です。私が本学に赴任以来、2001年度から13年度までに通算35名の大学院生を受け入れ、これまでに26名が学位を取得しました。

 

就任10周年記念誌(左)と教室開講40周年記念誌

(就任10周年記念誌(左)と教室開講40周年記念誌 )

 

―赴任当初からコンスタントに多くの大学院生を確保できた秘訣、何か工夫されていることがあれば教えてください。

石川:大学院生を確保するという意識は特にありません。ただ、私自身が大学院で充実した日々を送ることができた経験から、みんなに大学院への進学を勧めています。undergraduateまでは、成績や進級を考えて一生懸命に与えられたメニューをこなし、評価されますが、大学院は自身が好きなことを自分のために勉強できるところです。用意されたことをやって、評価を受けるというスタイルから卒業して、“自己実現”のために能動的、主体的に勉強することの大切さを伝えています。

 

―先生ご自身は大学院で矯正歯科学を専攻する魅力はどこにあると思われますか?

石川:大学院では「研究者の育成」も大切ですが、私は「リサーチマインドをもった臨床医の育成」を大きな目的として研究指導を行っています。何故なら、臨床では「問題を見つけ、データを収集、分析、統合し、問題を理解して、解決方法を見つける」ことが重要です。このような科学的思考はまさに研究を遂行する上で求められることですので、大学院生として学位を目指して研究を行う中で身に付けてもらうのが有効なアプローチであると思っています。私はこのことを折に触れて研修医や教室員に話しておりますが、実際に体感した教室の大学院生や大学院卒業生が後輩に伝え、正の循環となって毎年大学院生を確保できているのかも知れません。

 

医局の様子

 

―皆さんが大学院で矯正歯科学を専攻されたのはなぜですか?また、魅力について教えてください。

秦:私は、矯正歯科学に所属し臨床研修を受けました。歯科医になりたての時に、毎週毎週新しい患者さんの症例検討会が開かれ、先輩方が一つの症例に対して、あらゆる可能性を探り、問題提起をしてきっちり診療にあたっている姿を目の当たりにしてかっこいいと思っていました。その先輩方は大学院生としての研究と臨床を両立させており、自分自身もそうなりたいと思い大学院進学を決めました。大学院進学後、日々の臨床や研究を進めていく中で、症例を検討するアプローチと研究を進めるアプローチに類似性が高いことにも気付きました。

秦省三郎先生(大学院4年:秦省三郎先生)

 

高田:先輩方から研究と臨床が両立できると聞いたからです。実際入局して、臨床に不安になりながらも、基本研修のプログラムが充実しているので、それに必死に喰らいついてこなしていけば臨床においては基礎的なところは問題なく修得できるかと思います。ある意味忙しいですけど研究にも集中できる環境であると思います。教室に在籍している先輩方は大学院を修了された方がほとんどで、研究に対する両立の大変さ苦労もわかっていただけるし、臨床に対する考え方、根拠に基づいた診療をするといった方針が教室に浸透しており、研究の考え方を臨床にも持って行けるといったところが教室の魅力でもあると考えます。

高田俊輔先生(大学院3年:高田俊輔先生)

 

坂井:私は、学生の時に本学の矯正歯科で治療をしていて、その頃から矯正治療に興味を感じていました。歯科医になったら矯正治療をしたいなとずっと思っていて、臨床研修は九州大学で学んできましたが、石川教授の下で矯正を学びたいと思い戻りました。最初は、医員として入局させていただきましたが、1年間経験して、矯正の奥深さを感じ、やはり大学院に進学しようと決めました。

坂井真実子先生(大学院3年:坂井真実子先生)

 

―研究テーマを決めたのはいつ頃でした?

秦:大学院進学前の3月末に石川教授にご相談し、進学時には研究テーマと、その研究を進める上で有益なモデルである、上皮細胞の再構築モデルに造詣が深い分子機能制御学分野の山﨑教授に研究指導をしていただくことを決めました。

 

高田:研究は、石川教授からの勧めもあって機能構造学分野の沢教授の指導の下で始めましたが、テーマが実際決まったのは1年生の夏以降で、それまでは切片を免疫染色して、世界の専門家にも見てもらえるレベルの組織切片を作成することを目指して、手技を学んでいました。

 

坂井:臨床研究をしたいという希望もあって、進学後直ぐに石川教授から大きな研究テーマを決めていただき、その後玉置講師のサポートを受けながら方向性を詰めていきました。

インタビュー中の大学院の先生方

 

―石川教授の魅力を教えてください?

秦:教育力です。わかり易く説明をされて、どのような学生でも一定のレベルまで育ててくださる教育力は尊敬します。

 

高田:豊富な知識です。私達が教授とお話しするに当たり、相当な準備をしないと教授と同じステージでお話しすることができませんし、準備をすることが勉強になっています。

 

坂井:科学的思考力の鋭さです。着眼点が違ってハッとさせられることが多々あります。

 

―大学院で目的は達成されましたか?

全員:まだまだですが、一歩一歩着実に向かっていっていると思います。今後も“自己実現”を目指して精進していきたいと考えています。

 

―大学院生の研究テーマというのは先生がお決めになるのでしょうか?

石川:テーマは自身が長年育んできました3つの柱からなる研究テーマ群と本学の基礎系講座との連携で取り組んでいる一連のテーマがあり、多彩です。基礎系は、沢先生、山﨑先生、敦賀先生に研究指導をいただいています。各大学院生の個性に十分気を配りながら、大学院生と面談のうえ彼らの意見や希望を取り入れて、決めていきます。

 

―実際に矯正歯科学の研究室と基礎の研究室とで、研究の振り分けはどのようにされているのでしょうか?

石川:うちに在籍している大学院生は、本分野で研究する者と基礎講座で研究する者に二分されます。それぞれの研究テーマの発展のためには、研究の継続性ということも大切ですので、その辺も大学院生に説明して、各年度の振り分けをしています。

 

―臨床(診療)と研究のバランスはどのようにされていますか?

石川:当教室は日本矯正歯科学会の研修機関になっているので、認定医を取得するために2年間の基本研修と3年間の臨床研修を積んで矯正歯科の認定医を目指してみんな勉強しています。この5年の間に大学院に行くかどうかということですが、若いうちはとてもエネルギーがあるので、臨床と研究の両立を目指して頑張ってみたらと話しています。努力した分だけ必ず力になりますから。曜日によって主に臨床をする日と研究をする日に分けて頑張って貰っています。志を持たせて、それをサポートすることに努めています。

 

―それでは、最近の研究テーマ等で何かトピックス的なことがあれば教えていただきたいのですが。

石川:日本顎変形症学会で「骨格性下顎前突患者の側貌パターンの分類と術後の軟組織側貌形態の予測」というテーマで坂井真実子君がポスター賞をいただきました。このほか、今年の6月には日本顎変形症学会総会を、来年の11月には私が理事長となる日本矯正歯科学会の大会を主管することになっています。この経験を通して医局員の視野や考え方が外向きになり、またそれぞれの自信につながってくれれば良いなと思っています。

 

―ポスター賞を受賞されたとのことですが、これまでに大学院生が受賞された論文賞や発表賞はどれくらいあるのですか?

石川:私がこの教室に赴任以降は、学会の論文賞は5で、発表賞は11あります。このうち大学院生がファーストのものは、論文賞で4、発表賞は6です。

 

―たくさん受賞されていますが、何か工夫されているのですか?

石川:受賞のための特別な工夫はないのですが、賞を目指す積極性は大切と言っています。学会発表に際しては、常に周到な準備を心がけています。人に理解してもらうためには、どうしたら良いかも指導の一つです。学会の予行演習以外にも、各自の症例発表会や抄読会などでプレゼンテーションのトレーニングをしています。

 

研究の様子
(症例発表会の様子)

 

―大学院生が多いと研究の進行状況など把握するのが大変だと思いますが、どのようにされているのですか?

石川:大学院生一人ひとりを良く見て、日々個性に合わせて指導していますが、最も大切なことはシステム化するというか、流れを作って指導することだと思っています。この研究室には約束事があって、私や先輩が教えたことは後輩と患者さんにフィードバックすることにしています。このような「人の繋がり」といったシステムと「教育プログラム」といった目に見えるシステムを作り、研究指導に当たっています。また、基礎系講座の先生方には、とてもきめ細やかな指導をしていただいています。

 

―学会発表などについては年に何回とか、ある程度のノルマを設けているのでしょうか?

石川:研究の進行の目安として、おおよその発表予定は決めていますが、常に計画通りの結果が出る訳ではありませんので、回数は定めていません。大学院を修了するまで平均的に十回程度は発表しているように思います。

 

(大学院生へ研究指導する石川教授(現:学長))

 

―実験を開始する準備として、配慮されていることはありますか?

石川:一人ひとりに合わせて準備をします。2週間毎に課題を与えてプレゼンをさせる方法を3月間続けたこともありますし、文献のディスカッションを行い、研究内容・目的の確認から始めることもあります。

 

―どのような体制で研究を進めるのですか?

石川:分野での場合は、同じ系列の研究を行う先輩と後輩の2人でチームを作って進めるようにしています。実験計画書作成から私を含め3人で行い、実験に際しては2人一緒にやって、先輩が後輩に基本的なことを指導し、後輩が先輩を手伝うといったシステムを取っています。それを私が統括しています。

 

―大学院修了後の進路について教えてください。

石川:“自己実現”の一つとして優れた矯正歯科医になることや認定医の取得もあるので、多くの場合は修了後直ぐに大学から離れることはありません。国立大学に比べ恵まれた環境にあり、医員、また選考された場合には大学院卒後助教として本学に席を置きながら後輩の指導のほか、臨床や研究に頑張っています。

 

―最後に、大学院を指導する時の先生のモットーを教えてください。

石川:私自身が研究を好きであることや、またリサーチマインドをもって研究や臨床に携わっていることを大学院生に見せることですね。また、大学人として彼らの“自己実現”をサポートするという意識をもって、本気になって大学院生と向かい合うことが大切ではないかと思っています。

 

石川教授(現:学長)台湾矯正歯科学会名誉会員楯

 

  お忙しい中、インタビューに御協力いただきありがとうございました。
  第3回は、歯周病学の坂上竜資教授にお話をお伺いします。

 

【取材日:平成26年2月14日(金)/取材者:岡村和彦(病態構造学分野准教授)、石橋慶憲(企画課長)、箱田智紀(学務課課長補佐)/撮影者:石橋幸恵(企画課職員)】

 

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