教員インタビュー

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は や ら わ

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・池邉哲郎 大学院fd
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か行
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・坂上竜資 大学院FD
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た行
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な行
・内藤徹 (ないとうとおる)
・永井淳 (ながいあつし)
・永嶋哲也 (ながしまてつや)
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は行
・萩家康弘 (はぎややすひろ)
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・早川浩 (はやかわひろし)
・日高真純 (ひだかますみ)
・廣藤卓雄 (ひろふじたかお)
・別府理智子(べっぷりちこ)
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ま行
・松浦尚志 (まつうらたかし)
・丸田道人 (まるたみちと)
・壬生正博 (みぶまさひろ)
・森田浩光 (もりたひろみつ)
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や行
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・山崎純 (やまざき じゅん) 
・山崎純 大学院FD
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ら行
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わ行
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「常に技術を学び続けるのが補綴科医の使命
   ~CAD/CAMなど先端技術でオーラルリハビリテーションを牽引~」

── 咬合修復学講座 冠橋義歯学分野 佐藤博信教授 (現:口腔医療センター 客員教授)


補綴治療に魅了された学生時代  
 僕らが学生だった頃は、補綴に関する新しい技術が日本に紹介、導入されて歯科医療が
 すごい勢いで変わっていた時期だったんですよ…
 
———今日はよろしくお願いします。まず先生が歯科医師を目指したきっかけから教えていただけますか? 
思い出の本を手に   
佐藤:  父親、祖父が地元福岡で歯科を開業していて、私は3代目ですが、2人の姿を見ていて、自然に歯科医師を目指すようになりました。娘も歯科医師になりましたので4代目に入りましたね。小さな時はスポーツ選手にあこがれ、大学ではバスケットをしていて4番マークを背負って頑張りました。テニスもゴルフも何でもします。スキーは1級を持つまで頑張りました。
 
 ———スポーツ万能のようですが、今も続けられているのですか? 
佐藤:  今はまとまった時間があまりとれませんので、主にジョギングで汗を流しています。週2回程大濠公園に行っています。自分の生まれ育った庭みたいなところなもので。健康維持にはいいですよ。勤務から戻ってからですので走るのは大抵夜遅くになってしまいますが、見かけたら声をかけて下さい。
  
———歯科の中でも補綴科を専攻された理由はなんですか?  
佐藤:  僕らが学生だった頃は、補綴に関する新しい技術が日本に紹介、導入されて歯科医療がすごい勢いで変わっていた時期だったんですよ。『オーラルリハビリテーション』という本を父が持っていましてね、九州歯科大学に進み6年生の時でしたか、こっそり持ち出して読んだら面白くて夢中になりました。高価な本だったから父からは大目玉をくらいましたけど。この本に出会ったことでそのまま補綴の大学院に進みました。補綴材料の革新で、今までむし歯がちょっとひどくなったら抜歯するしかなかった歯科治療に大変革が起きているそういう時期だったんですよ。その後長崎大学に在職中、スウェーデンのイエテボリ大学に留学しましたが、その留学でも強い影響を受けました。
  
補綴治療とはオーラルリハビリテーション(口腔機能回復)

 補綴科医が担っているのは、食べられる、話せる、快く人と接することができるという
 口腔が本来持つ機能の回復です… 

 
———「補綴」についてわかりやすく説明していただけますか?
佐藤:  「ほてつ」って補って綴ると書きますが、欠けたり失ってしまったりしたものの代わりになる物を作って綴じあわせることですね。しかし補綴治療というのは、そういう補綴物を作るということだと考えてはいけないんですよ。私たち補綴科医が担っているのは、食べられる、話せる、快く人と接することができるという口腔が本来持つ機能の回復です。だから、補綴学は「オーラルリハビリテーション」と深く結びついています。その機能回復という最終目標を念頭において、インプラント科や歯周病科、歯内療法科、口腔外科とも連携して、しっかり噛めるか、喋れるか、歯を見せて笑えるかというような点で患者さんのQOLを高いところにまで戻すというのが補綴科医の仕事ですね。
インタビュー中   
 
———すべてを一人でできる必要はないけど、すべてを把握しておかなければならないということですね?
佐藤:  そうです。だから学生さんは、知識とくに診断の重要性を学ぶ必要があります。また、限界があるんだけれども技能も追及していかないといけないのだという二面性をきっちり学んでもらうことが大事だと思ってます。技術でしか患者さんのことを考えられないのでは失格だけど、腕もないのに口ばかりでもいけない。ただそれは自分の技術で足りないところを他の先生にお願いしてもいいんですよ。インプラント治療をする場合も手術は他の先生にお願いしたりとか。でもただインプラントの治療がどのように進められているかとか、本当にいるのかいらないのかとか自分で判断できないといけません。
   
———学生教育の話題が出ましたが、ほかに強調されている点などありますか?
佐藤:  補綴に限ったことではないでしょうが、5年前に良いと言われていた診断や治療技術も、今言われていることとは大幅に違うことがあるんですよ。常に勉強し続けて診断・治療技能を磨き続けてないといけません。
  
補綴治療の大変革期へ

 30〜40年…比較的静かな時代があったんですけど、突然インプラントとCAD/CAMの時代が
 やってきました…

 
———技術の進展で治療の常識が変わってしまうということですか? 
佐藤:  そうです。30〜40年前に金属を鋳造してクラウンを作ることができるようになり大きく変革しました。その後、比較的静かな時代があったんですけど、突然インプラントとCAD/CAM(注・Computer Aided Design/Computer Aided Manufacturing:コンピューター支援設計・コンピューター支援製造)の時代がやってきました。CAD/CAMの出現でどうなったかというと、従来の金属製の補綴物を作る作業工程が必要でなくなり、そういう工程をコンピューターが代わりにやってくれる時代に変わりつつあります。その結果、これまで利用が難しかったチタンやジルコニア(オールセラミック)などの新しい材料が使えるようになりました。これは利用できる材料が増えたというような単純な変化ではなく、補綴科医がこれまで一生懸命やっていた補綴物の作製というような作業をコンピューターにアシストしてもらい、補綴科医は診断設計と機能回復に専念できるようになることを意味します。
  

ジルコニアブロック

CAD(左)/CAM(右)
注記:  ジルコニア(酸化ジルコニウム)とはセラミックスの一種。金属とほぼ同じ硬さで強度もあるので汚れも付きづらく衛生的。補綴物として用いる場合、白色なので目立たず、アレルギーなども起きにくいので、次世代の材料として注目を浴びている。非常に硬いため切削が困難とされていたが、CAD/CAMが導入されて精密な補綴物の製作が可能となった。
  
———CAD/CAMシステムの教育面でのメリットはどういうものでしょうか? 
佐藤:  まず何よりのメリットとしては、学生はCAD/CAMのシステムについて学ぶことで、新しい時代の医療を先取りし、実際に歯科医師として診療に携わるときごく自然に利用できるような能力を身につけられるということです。だからオーラルスキャン(注・口腔内を専用のデジタルカメラで撮影しCAD/CAMに必要な三次元情報を取り込むこと)など、CAD/CAMの技法や流れなどを学生に体験してもらっています。つまりカメラで口の中を撮影してコンピューター画像として再現するので学生にとってとても見やすくなります。コンピューターの中で歯を回転させて見ることができますし、削った歯をわかりやすく確認できます。噛み合わせの位置やどれだけ当たっているかなどを即座に画面上で確認できます。デジタルワックスアップって言って、今まではロウを使って手作業で模型を作っていたのがコンピューター内の3D画像として作製ができます。それから診療技能の評価も、従来は担当教員により主観的に評価されていたのが客観的に評価することが出来るようになります。ソフトウェアはまだ完成されていませんが、削ったものを機械が判断することが可能になります。




CAD/CAMを用いて
補綴物が出来るまで
 
  
3Dプリンタと作製物  
     本学の3Dプリンタは、コンピューター上で作った3Dデータを設計図として、
     石こうを材料に断面形状を少しずつ積み重ねていくことで立体物を作製します。 
     
オーラルリハビリテーションと口腔医学

 私たちにとって口腔医学とは、特段に身構えなければならないようなものではなくて、
 むしろ自然にもう取り組んでいるべきものですね…

 
———これからの歯科治療、補綴治療はどうなっていくとお考えですか?
佐藤:  いや、最近の変化は早く、今はCAD/CAMの時代に移りつつあるという実感はありますが、それが5年続くのか10年なのか、もっと長く続くのか予測は困難です。またCAD/CAMの後に何が来るのか誰も予見できませんよ。歯科治療も社会の高齢化に伴い歯科衛生士、歯科技工士、介護福祉士、看護師が加わって、多職種間の連携が不可欠になっています。そのなかで取りまとめ役を担う人が必要になりますが、それは歯科医師の役割だと思います。だから私たちは最先端を走って、オーラルリハビリテーション領域の進歩に貢献しなければならないのです。
   
———最後に、口腔医学についてお聞かせいただけますか?
佐藤:  補綴科というのは実際のところ口腔顎顔面領域の整形外科だと言えます。口腔医学という観点から考えると、補綴科が生体組織を対象とした研究に力を入れることが非常に大事です。その点については、私たちは骨や粘膜のコラーゲン等の結合組織に関する基礎研究を20年近く行っており、歯科以外の領域の人達からも高く評価されています。また、これからの超高齢化社会で口腔のリハビリテーションということを考えると、医科の知識は当然、身に付けなければならなくなります。認知症の方の歯科治療をどうするか、高齢の方の場合にどこまで機能的な回復を目指すのかとか、どのようにケアすべきだとか、全身疾患がある場合どう対応すべきだとか、当然、身につけなければいけない知識だと思っています。私たちにとって口腔医学とは、特段に身構えなければならないようなものではなくて、むしろ自然にもう取り組んでいるべきものですね。だから学生にしっかり教育する必要があると思っています。
     
——本当にお忙しいところ、長い時間お付き合いいただきましてありがとうございました。
     

佐藤教授からのビデオメッセージ

 
 
 

 

 

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