教員インタビュー

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50音順リスト
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は や ら わ

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・池邉哲郎 大学院fd
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・石川博之 大学院fd
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か行
・香川豊宏 (かがわとよひろ)
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・坂上竜資 大学院FD
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・篠原徹雄 (しのはらてつお)
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た行
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・田中芳彦 (たなかよしひこ)
・谷口省吾 (たにぐちしょうご)
・長 環 (ちょうたまき)
・都築尊 (つづきたかし)
・鳥巣浩幸 (とりすひろゆき)
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な行
・内藤徹 (ないとうとおる)
・永井淳 (ながいあつし)
・永嶋哲也 (ながしまてつや)
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は行
・萩家康弘 (はぎややすひろ)
・埴岡隆 (はにおかたかし)
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ま行
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・森田浩光 (もりたひろみつ)
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や行
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・山崎純 (やまざき じゅん) 
・山崎純 大学院FD
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ら行
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わ行
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「理解されるよりも理解することができるように-受け入れ理解することが障害者歯科治療の出発点」

── 成長発達歯学講座 障害者歯科学分野 小島寛教授
 
 
——先生は北海道大学出身ですが、歯学部を選ばれた理由というのは何でしょうか?

 

 

小島: 歯学部に入ろうと思ったのは、中学2年くらいの時にはもう確実に固まっていましたね。
——どなたかの影響だったのでしょうか?  
小島: いや、とくにそういうことはありません。社会問題だったからでしょうね。だって、歯医者が足りなくて、2時間も3時間も待って10分しか治療しなくて、それっきりかって。そんなに歯医者が足りないんだったらなってみようかなと。

——もし、歯科医師になってなかったとしたらどういう職業に就かれていたと思いますか?

 
小島: う〜ん、考えたことさえありませんね。
——もともとの専門は小児歯科だったと思いますが、専攻の理由を教えていただけますか?
小島:

小児歯科へ行こうと思ったのは大学に入ってからです。きっかけは何時間も待たないと治療が受けられないという所から始まりました。それに対して、自分では虫歯がなければこんな事にはならないのにと思って、そのために子供の虫歯をゼロにしたら解決するんではないかと思いました。まあ、他にも理由はありますが。(笑)

 
——小児歯科から今の障害者歯科に専門をかえられた理由は?  
小島: 小児歯科をやっていると、子供の診療をするんですよね。だけどね大学病院だと、子供といっても普通の子供は少ないんですよ。医学部の病院から送られてくる子供がいるし、あるいは、まわりの歯医者さんから紹介で送られてくる子供がいます。けれども、学生実習とか研修って普通のお子さんでおとなしい人を診ますよね。そうすると、もうちょっとキャリアの長い先生は、泣いてちょっと扱いの難しい子を診るんですよ。さらにその先輩はもう病気を持った患者さんなんです。心臓悪いんだけど歯を治したい、ネフローゼなんだけど歯を治したい、自閉症なんだけど歯を治したいとか、脳性麻痺なんだけど歯を治したいとか。となると、いつしか障害者歯科になっているんですよね。
でも障害者歯科っていうのは日本ではもともと「精神遅滞というのは発達が遅いので、お兄ちゃんお姉ちゃんなんだけど3歳4歳の子供と同じように対応しながら歯を治したらどうだろうか」から始まったんですよ。だけどそれだけでは足りないから、全身麻酔も使わないと治療ができないしとかいうことでだんだん広まっていって、今では障害者歯科学会に麻酔の先生とか口腔外科の先生とか、あるいは保存系の先生とかいろんな人が参入するようになってますけど。でも、あの当時は小児歯科の人が障害者歯科に移行するっていうのはよくあることだったと思います。

 

——本学の障害者歯科についてお伺いしたいのですが、障害者歯科にはどういった方がみえられますか?

   

 

 

   
研究室の机上に
置かれていた オブジェ

小島: いちばん多いのは知的障害の患者さんですね。それから自閉症、脳性麻痺、という順序ですけど、うつ病だとかパニック障害の方、そのほか歯科恐怖症の方などもみえますよ。
——自閉症の方への歯科治療で先生は第一人者とお聞きしまして、その自閉症者への治療についてお伺いしたいんですけど…
小島: それは簡単には説明できません。(笑)
——そうですよね。では、自閉症の方への歯科治療する場合と一般の方の場合とで一番違う点というのはどういうところでしょうか?
小島: 自閉症の人って、そもそもコミュニケーションがうまくとれなくて、相手の言ってることが理解出来ないんですよね。理解出来ないというのは、コミュニケーションを取られている時に自分が相手と繋がるっていう意識がないみたいなんですよ。だからこちらが「おはよう」と言っても、向こうは「おはよう」という必要がなくて、目の前にいるのは動く物体、それでその人達とコミュニケーションをとるなんてことは、はなから想定外な感じなんですよ。「コミュニケーション障害」というふうに呼ばれますけど、相手が人間で今から何か絡んでいくという意識がほとんどないんですね。そうすると「こちらにどうぞ」とか「座って下さい」とか、こちらが言ってもですね、自閉症の人にとっては、動く物体が何かいて、スピーカーから何か流れてくるだけとしか感じていないじゃないかと思えるときもあるんです。解釈して何かしなきゃいけないという必要を感じているとは思えないんですよ。だから我々が無意識に普通にやってるコミュニケーションが実は成り立たない人達もいるっていう事が問題なんです。その人に虫歯があるので「これから歯を削って詰めます、分かりましたか?」って言っても意図がなかなかつたわらない?すよね。そういう人に歯の治療を受け入れてもらわなきゃいけないんですよ。
——コミュニケーションが成立たないのにどのようにして治療を受け入れてもらうのですか?  
小島: 自閉症の方のパターンはだいたい一緒なので、それがわかっていれば、治療を受け入れてもらうことができるんですよ。たとえば診療室に入らない、待合室の廊下にもどってしまう、10分後に迎えに行くとさらに奥に隠れる、これはパターンなんですね。そのあと30分後にまた行くと「もうだめだ」と抵抗が弱まっていることがよくあります。こっちの手を持って、さらに後ろから他の先生が押して、もう片方の手は親御さんが持ってずるずるひっぱっていくと、一応抵抗するけれども診療室へ入ってくれる。僕は、それを「台本」と呼んでいますが、僕は台本通りに患者さんが動いてくれていると思っています。その通りにならないのであれば、台本の書き方が違っていたんですね。そのときは台本を書き換えればいいわけですよ。その台本を知らなければ、抵抗が強いときに手を引っ張ったがためにトイレに逃げ込んで個室に鍵をかけて出てこない、困ったなあということになるけれど、台本がわかっていれば、あわてることなく落ち着いて対応できるようになります。うちの先生たちは、台本を知っているので、患者さんのいろんな行動についてもずいぶん落ち着いて対応していますよ。相手に何かをわかってほしいと思っているのならば、相手を理解しろっていうことなんですね。
診療について書かれた
先生のご著書
——最後に、診療に対する先生の考え方とかそういうものについて教えてください。  
小島: 大学卒業後に入局した小児歯科学の医局では、小児科の医者が教授でした。歯科の教授が医科の先生なんですからおかしな話に思えるかもしれませんけど。でも小児科から心臓疾患やネフローゼ、白血病、再生不良性貧血などのいろいろな患者さんが歯の治療に見えていました。その子たちの歯の治療をする場合、循環のこととか、歯からばい菌が入るかどうかとか、歯の治療で出血する、血小板が足りないとか、そういうことがわかってなければならなくて、ここ(福岡歯科大学)で言うところの「全身がわかる歯科医」が必要になります。医科と対等に連携するには「口腔医学」は必要だって、ずっと思っていたわけです。私は、みえた患者さんの症例で勉強していたわけで、系統だって小児科や皮膚科を勉強していたわけではない、学生時代に数回の授業は確かにありましたが、当時は一般医学教育の必要性を強く自覚していたとは言えないんですよ。若い人が大学で系統だって勉強して、それをベースにしてそのうえで歯科治療をしていくことはとてもいいことだと思います。ぜひ「全身のわかる歯医者」が育ってほしいと思います。

臨床実習生(実際の診療を
見学し学習する大学
生)に説明する小島先生
——本日はありがとうございました。  
   
   

小島教授からのビデオメッセージ




 

 

 

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