教員インタビュー

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50音順リスト
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は や ら わ

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・池邉哲郎 大学院fd
・石川博之 (いしかわひろゆき)
・石川博之 大学院fd
・稲井哲一朗(いないてついちろう)
・井上敏生 (いのうえとしお)
・内田竜司 (うちだりゅうじ)
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・岡田賢司 (おかだけんじ)
・岡部幸司 (おかべこうじ)
・岡村和彦 (おかむらかずひこ)
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か行
・香川豊宏 (かがわとよひろ)
・金子高士 (かねこたかし)
・金光芳郎 (かねみつよしお)
・川野庸一 (かわのよういち)
・城戸寛史 (きど ひろふみ)
・城戸寛史 大学FD
・古賀千尋 (こがちひろ)
・小島寛 (こじまひろし)
・児玉淳 (こだまじゅん)
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さ行
・坂上竜資 (さかがみりゅうじ)
・坂上竜資 大学院FD
・佐藤博信 (さとうひろのぶ)
・篠原徹雄 (しのはらてつお)
・嶋田香 (しまだかおる)
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た行
・髙橋裕 (たかはしゆたか)
・田中芳彦 (たなかよしひこ)
・谷口省吾 (たにぐちしょうご)
・長 環 (ちょうたまき)
・都築尊 (つづきたかし)
・鳥巣浩幸 (とりすひろゆき)
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な行
・内藤徹 (ないとうとおる)
・永井淳 (ながいあつし)
・永嶋哲也 (ながしまてつや)
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は行
・萩家康弘 (はぎややすひろ)
・埴岡隆 (はにおかたかし)
・馬場篤子 (ばばあつこ)
・早川浩 (はやかわひろし)
・日高真純 (ひだかますみ)
・廣藤卓雄 (ひろふじたかお)
・別府理智子(べっぷりちこ)
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ま行
・松浦尚志 (まつうらたかし)
・丸田道人 (まるたみちと)
・壬生正博 (みぶまさひろ)
・森田浩光 (もりたひろみつ)
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や行
・安河内ひとみ(やすこうちひとみ)
・山崎純 (やまざき じゅん) 
・山崎純 大学院FD
・山野貴史 (やまのたかふみ) 
・湯浅賢治 (ゆあさけんじ)
・吉永泰周 (よしながやすのり)
・米田雅裕 (よねだまさひろ)
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ら行
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わ行
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「歯周病治療は患者さんとの二人三脚-患者さんが何を求めているかわかるまで話し合います」

 ── 口腔治療学講座 歯周病学分野 坂上竜資教授
 坂上先生インタビュー時の写真
——歯周病を専門とされたきっかけを教えていただけますか?
坂上: なんか全然劇的なんかじゃないですよ。北大の歯学部にいたんですが、専攻を決めるときに、歯周病科を選んだ友人に誘われて歯周病科の石川先生(故・石川純氏 当時、北海道大学歯学部教授)の話を聞きに行ったのがきっかけというか・・・。

インタビュー中

インタビュー中

——うまく引き込まれちゃったという感じでしょうか?
坂上: まあ、石川先生は歯学部に来る人間が歯周病以外の道を選ぶはずがないというくらい歯周病は素晴らしい学問であるという思い入れがありました。もともと僕は大学生時代から生物系の学問の方が好きで、歯周病は生物的で医科とのかかわりもあって興味はありましたけど、やはり歯周病を専門にした一番のきっかけは石川先生ですね。
——その後、アメリカにも行かれたと思いますが、きっかけを教えていただけますか?
坂上: 高校時代から海外留学したいと思っていました。医員のときに大学がオレゴン大学と姉妹校提携したんですが、先方から専門医のコースに誰か来ないかという話があったので、行きたいと希望しました。向こうの歯科医は歯学部を卒業してから2~3年専門医のコースに入って専門医の資格を取ります。専門医になると一般歯科医よりも2〜3倍高い収入が得られるんですが、とりわけ高いレベルを要求されます。  
——日本とアメリカの歯科医療で状況の違いなどありましたか?

歯周病専門医認定証

米国歯科医師会による
歯周病専門医認定証

坂上: 医科も歯科もそうですが、自分の健康は自分で守るという意識が強くあります。人間的には患者と医師は対等で、それでいてお互いの職業というかお互いに対するリスペクトがあります。こちらも説明をきちっとしなければいけませんし、その説明に納得して契約し、治療を受けてもらわないといけませんのでやりがいがあります。専門医教育ですごいところは自分がやっている仕事の一つ一つに裏づけが求められるので、文献を沢山読まされます。自分がこう思うからこうやるんだというのではなく、こういう裏づけがあるからやるんだというポジションはずっと貫かないといけません。ただすごいというだけでなく厳しいところでもありますね。
——歯周病について教えて欲しいのですが…
坂上: 歯周病は大きく分けると歯周炎歯肉炎の2つになります。歯周炎がイコール「歯槽膿漏」で、骨も下がっていて周囲の組織がなくなってくる状態のことを言います。歯肉炎はより軽い病状で、骨が下がっていない状態で歯ぐきが腫れている状態をさします。両方とも歯ぐきの周りの汚れが歯ぐきに炎症をおこして歯ぐきの中にどんどん入っていき、歯ぐきや周囲の組織を溶かすという状態です。骨が半分以上なくならないと歯がグラグラしませんし、そうなるまでは無症状なんです。自分ではなかなか気付かないため「静かな病気」“Silent disease”と言われています。
——病院ではどのような処置をしてもらえるのですか?  
坂上: 基本的に治療は歯ぐきの上に溜まった汚れと歯ぐきの中に溜まった汚れを取り除きます。上の部分は患者さんが歯ブラシで清掃することで良くなりますが、中の汚れは患者さんでは取り除けないので、歯科医師、歯科衛生士が器具を使って丁寧に取り除くということになります。

歯周病の説明をする坂上教授

歯周病について図を描き
説明する坂上先生

——患者さんが自分でする歯磨きも大切なんですね。
坂上: そうですね。患者さんと歯科医師が車輪の両輪のようにいいタイミングで協力して個々の汚れを取っていくことをしないと歯周病という病気は良くなりません。そういった意味で患者さんと先生とがきちっと協力して、まず患者さんに分かってもらって信用してもらって、治療も誠心誠意行えば歯周病の治療はうまくいくんです。他の病気と違って難しいところは患者さんが一生懸命歯を磨いてくれないと治らないし、歯周病は患者さんとともに歩んでやっていかなければいけないので、コミュニケーションが重要になります。
——歯磨きがなかなか続かない患者さんもいると思いますが…  
坂上: おっしゃるとおり、そういうときもあります。私たちは患者さんが歯磨きしたら気持ちよくなる、やらければいつも汚れが溜まった状態で気持ち悪いと患者さん自身が思えるところまで誘導してあげるとだいたいはその後一生懸命やってくれるようになります。

お子さんの写真

研究室にはお子さんの写真も

——歯周病は全身疾患関連していると聞いたことがあるのですが・・・
坂上: ええ、そうです。歯周病は少なくとも4つの病気に対しては確実に悪くすると今、言われています。その他にも挙げていけば10くらいはそういった歯周病が病気を悪くするといった証拠が出てきているものもあります。
ただ、最初の時点で「歯周病が全身の病気を引き起こす原因になるんですよ」というお話をしても、すでに病気を持っている人以外にはあまりインパクトはないかもしれません。
——関連していると言われている4つの全身疾患と言いますと…
坂上: 糖尿病心臓病とそれから低体重出生児・・・低体重出生児っていうのは、妊婦さんが重度の歯周病になっていると、早産になったり、低体重出生児になったりっていうことがあります。もう一つが肺炎。嚥下性肺炎とか、やっぱり口腔内に歯周病があって、菌を飲み込むと肺の中に悪い病気を起こしてしまう。
——どうして影響するのでしょうか?
坂上: いくつかの理由がありますが、歯周病があることによって細菌自体が身体に悪さをするというのが一つです。もう一つが細菌がいることによってそこに炎症が起こって、そこからいろんな物質が発生し、それが体中を巡って悪さをするというのもあります。その炎症性の物質というのがサイトカインというものですが、身体中を巡ると身体のいろんなところでさらに炎症を引き起こして病気を悪くするということが分かってきています。
——それなら、炎症を引き起こしてしまう細菌を全部殺菌すればいいんじゃないでしょうか?
坂上: いえ、そう単純にはいかないんですよ。歯周病をおこすと言われている細菌は5種類くらいなんですけれども。いや実は、口の中にいる菌というのは一人あたり500種類以上あると分かってます。500種類以上の菌が…この菌はこの菌を育てるとか、この菌がいるとこの菌が生かされるとか抑制するとか、そういう色んなかかわりをもったまま、歯ぐきのちっちゃな隙間のところで共生したり、抑制したりしながら、たくさんいるわけです。そういうのが歯周病っていう悪い状況をつくっているからといって、じゃそういう細菌を全部叩けばいいのか、それとも一部を叩けば治療できるのか、そういったことまで実はまだわかってないんですよ。その中でもいくつか特に悪いことをするのが歯周病の病原菌だって言われているんですけど、必ずしもそればっかりじゃないんですね。すごく難しいところです。

診療室にて

診療室にて

——しかし小さな歯周病がこんなに影響を与えちゃうなんて不思議ですよねぇ・・・
坂上: 確かにそう思うかもしれませんが、歯周病で炎症を起こした歯肉の内側部分を集めて一つの面積を作るとだいたい手のひらくらいの大きさになると言われていて、35平方センチメートルくらいですね。これほど大きな感染している潰瘍面は身体の中に他にあるかと言われたら、ないですよ。胃潰瘍でもこれほど大きなものはありませんから、そう考えると、身体のいろんなところにそういった悪影響を及ぼすということも想像ができるかなと思います。
——最後に、治療に関してモットーを教えてください。
坂上: 歯周病の治療は、患者さんとの二人三脚だって思っています。だから、患者さんが健康になれるように、親身になってお話して納得してもらうということが一番大事じゃないかなと思います。僕らは、自分はこう思いますよっていう部分を患者さんにきちっと伝えて、「どうされますか?」ってスタンスでお話を聞くようにしてます。
僕自身、学生時代に教わったことなんですけど、患者さんが何を求めているのかわかるまでちゃんと話をしなさいとか、患者さんの動機づけが大事だとか、患者さんの心を大事にしなさいとか、そういったことがほんとに大事だって改めて実感しています。
——今日はお忙しいところありがとうございました。
坂上: いえ、こちらこそ。
   

坂上教授からのビデオメッセージ




 

 

 

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