学長式辞 平成28年度卒業式

 福岡歯科大学を第39期生としてご卒業された皆さん、また大学院を第29期生として修了され、博士の学位を授与された皆さん、まことにおめでとうございます。また、きょうの日を一日千秋の思いで迎えられたご家族の皆様には、心よりお祝いを申し上げます。

 福岡歯科大学を卒業された皆さんは、今、大学生活でのいろいろなことを思い出されていることと思います。授業や試験のこと、臨床実習のこと、部活動のこと、そして友人と過ごした日々。皆さんの今日までの出来事はすべて大切な経験であり、これからの人生の糧になることと思います。いろいろな困難を乗り越えて、本日卒業式を迎えられたことを誇りに思い、また「口腔の健康から全身の健康を守る」、時代の必要とする歯科医師として、自信をもってこれからの道を歩んでほしいと思います。

 さて、皆さんには、これから歯科医師臨床研修が待っていますが、私は、研修とともに、皆さんに是非思い描いていただきたいことがあります。それは、自信とやりがいに満ちた歯科医師人生を歩んでいくために、自分はどのような歯科医師になりたいのか、ということです。今日、皆さんへのはなむけとして、劇作家のバーナード・ショーの言葉を紹介したいと思います。それは、Imagination is the beginning of creation、思い描くことは、創り出すことの始まりであるという言葉です。日本語では、語呂がいいので想像は創造のはじまりともいわれます。この言葉には、続きがあって、こうなりたいという自分をしっかりと思い描くことが、自身や人生を創り上げていく第一歩であると述べられています。私は、皆さんに、何歳になっても、どのような立場になっても、こういう歯科医師になりたいと思い描く気持ちを持ちつづけて欲しいと思います。いつも理想を高く持って、そこに近づくように研鑽をつづけることによって、やりがいのある歯科医師の人生を創り出していくことができると思います。そして、それが志ということのように思います。皆さんのすばらしい未来を期待しています。

 大学院の皆さん、学位の取得、まことにおめでとうございます。生命科学や先端技術のめざましい進歩の中にあって、皆さんは専門領域の指導教員のもとで、先端的な研究に取り組み、医学・歯学の発展に貢献するすばらしい業績をあげられました。まずはこのことに敬意を表したいと思います。皆さんは今、この四年間のことをいろいろと振り返られていることと思います。研究の知識や技術の習得に始まり、新しい知見を求めて、いろいろと悩みながら実験を行ってきたこと、学会発表の準備、発表の際の緊張感、指導教授とともに論文を作成して受理をまつ日々、そして学位審査。いろいろなことを乗り越えて、とてもすばらしい経験をされたことと思います。そしてすべてが皆さんの自信になっていることと思います。皆さんが研究を通して身につけられたリサーチマインドは、これからの研究に、臨床に、そして後進の育成に必ず役立っていきます。これから本学の伝統を作り上げていく若き力として、ますます活躍されるよう期待しています。

 さて、39期生の皆さん、そして大学院を修了された皆さん、本日は、皆さんがいろいろな困難を乗り越えて、一つの学びの課程を修了された日ではありますが、英語では卒業をgraduation、あるいはcommencementといいます。語源や意味からすると、一つの段階、あるいは開始の時と理解されます。そういった意味では、今日は皆さんのまさに新しい段階の始まりの日でもあります。健康に留意されて、これから大きく飛躍されることを願っています。

 最後になりましたが、ご多忙のなか、ご列席くださいました、ご来賓の皆様に厚く御礼を申し上げまして、私の式辞とさせていただきます。