学長式辞 平成29年度入学式

 新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。福岡歯科大学教職員を代表して、皆さんを歓迎し、入学をお祝いいたします。また新入生の御家族、関係者の皆様にも、心よりお慶びを申し上げます。

 さて、近年、歯科医療をとりまく環境は大きく変化しています。むし歯の減少など歯科疾患の変化に伴い、疾患の治療を主体とした医療から、口腔機能の回復、あるいはQOLの向上といった視点での医療への転換が求められています。また、日本社会の急激な高齢化にともない、歯科に来院する高齢者の割合も増加し、何らかの全身疾患を有する患者さんの来院が増加しています。歯科医師には、これまで以上に全身の理解と医学的知識を修得することが求められています。病院においても、誤嚥性肺炎の予防など、口腔ケアの重要性が認識され、さらに歯科疾患が糖尿病や心臓の疾患など全身疾患に影響を及ぼすことも知られています。すなわち、口腔の健康から全身の健康を守るといった視点での歯科医療の展開が求められています。
 このように現在、社会が必要とする歯科医療の姿は変化しつつあります。皆さんが卒業され、その後研鑽を積まれて第一線で活躍するころには、歯科医療は現在よりもさらに活躍の場の広い職業となっているでしょう。私たちは、「歯学から口腔医学へ」をモットーに、これからの時代が必要とする歯科医師となるよう皆さんを導いていきたいと思っています。

 さて、皆さんは今日から歯科学生となります。英語でいえばdental studentです。皆さんはstudentの語源はご存じですか?ラテン語のstudeoで、熱中する、あるいは努力するという意味です。したがいまして、studentは熱意のある人、努力する人というのが、本来の意味になります。私たちは、皆さんに受け身の姿勢ではなく、自発的な意志を強く持って、歯科医師を目指して勉学に励んで頂きたいと思っています。6年後には、自分自身や周囲の方々に誇りをもって語れるような、学生時代を過ごしてほしいと思います。

 大学院に進学された16名の皆さん、福岡歯科大学大学院歯学研究科では、心から皆さんを歓迎し、またこれからのエネルギッシュな研究活動に期待しています。現在、歯科医療には新しい診断機器、治療技術や材料が活発に導入され続けており、また生命科学の発展や先端技術の進化は目覚ましく、医療の方向性にも大きな影響を与えています。まさに、現在は歯科医療の大きな革新を予感させる時代です。皆さんは、このような時代に研究活動をスタートします。一つの研究成果を上げることは、決して簡単ではありませんが、指導教員の指導のもと、いろいろな課題を乗り越えて、歯科医学に新風を吹き込むようなすばらしい成果を挙げていただきたいと思います。将来、第一線で活躍する研究者を目指して、あるいは、高度な医療を展開するリサーチマインドをもった優秀な臨床医を目指して、充実した大学院生活を送ってください。

 最後になりましたが、年度始めのご多忙のなかご列席くださいました、福岡市長、福岡県歯科医師会会長、福岡市歯科医師会会長、そして本学同窓会会長、父兄後援会会長などご来賓の皆様、水田理事長を始めとする法人の皆様に厚く御礼を申し上げ、私の式辞といたします。